小児への服薬指導のポイント
 
  • 薬の服用に付随して生じる副作用で、患者または保護者が自覚できる副作用、悪心、嘔吐、眠気、味覚異常などは、ノンコンプライアンスを防止する上からも予め説明する。小児科で慢性的に服用する薬剤について、規則正しい服用と治療効果について説明すると同時に、副作用もある程度説明する。例えばフェニトインでは歯肉肥厚、中毒症状としての眼振などがあることや、ジゴキシンでは心室性不整脈の前駆症状として悪心、嘔吐があることを説明しておけば、手遅れに至らない。
  • ドライシロップなど水に溶解するものは、他の水剤や散剤と混ぜるなどして、一度の服用で済むように、用法の工夫をする。
  • 乳児の場合、ミルクに薬を混ぜるとミルク嫌いの原因になるので注意する。
  • テトラサイクリン系の抗生物質をアイスクリーム、ミルクに混ぜて服用すると成分中のカルシウムと薬物が難溶性キレートを形成して吸収低下を惹起するので、母親に注意を喚起する。
  • ABPCのドライシロップをグレープフルーツに溶かして服用すると力価低下を起こすので、水に溶かして服用するように指導する。
  • 懸濁剤は必ず「用時振とう」するように指導する。
  • 解熱性坐剤の使用にあたっては、「低体温」を防止するためにも、4時間以上の間隔を空けるように指導する。
  • 解熱性鎮痛剤(内服)と解熱性坐剤の成分(アセトアミノフェン)が同一の場合があるので、連用による中毒の可能性を説明するとともに薬歴管理する。
  • 喘息の吸入用器具、糖尿病におけるノボペンの服薬指導では、器具と説明書をセットにして、親と子供に組み立て方法、使用方法を説明する。