光学異性
(教科書94ページ 第12章「異性体」 光学異性
参照。)
偏光面を回転させることのできる化合物を光学活性であるといい、
旋光性 を有するといいます。
これに基づく互いの異性体を光学異性体といいます。
光学異性体が存在するための必要かつ十分な条件は分子がキラリティー
であるということで、逆にこのような性質を有しない化合物はアキラリティー
であるといいます。
キラリティー chirality: 鏡の前においた実像と鏡に見える鏡像の関係
あるいは 左右の掌の関係
不斉炭素をもつ分子として代表的な乳酸を下に示します。
乳酸の中央の炭素原子のようにことごとく異なった原子あるいは原子団と
共有結合する炭素を不斉炭素原子といい、分子内に不斉炭素原子を有する
化合物はキラル化合物であることが多いです。
<乳酸>
<その他 キラルな分子>
下に示す化合物が キラル化合物か アキラル化合物か
考えてみましょう。
キラル化合物は 1,2,4,5,7,8 の6つ。*印は不斉炭素原子
1 | 2 | 3 | 4 | |
5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
D,L表示
D-グリセルアルデヒド | L-グリセルアルデヒド |
R,S表示
@不斉炭素原子に結合した4個の原子あるいは原子団に
順位則により優位順位をつけます。
A最低位の原子(原子団)を目より最も遠くになるように見て、のこりの3つの原子(原子団)を
順位の高いものから低いものへとたどります。
このまわり方が右回りであれば R、左回りであれば
S と定めます。
2個以上の不斉炭素を含む化合物
<2個の不斉中心のもの>
1と2、3と4あh互いにキラルな関係。
1と3、1と4、2と3、2と4は1個の不斉炭素原子の絶対配置
は同じだが 他方の不斉炭素原子の絶対配置は異なります。
このような関係をジアステレオマーといいます。
1 | 2 | 3 | 4 |
<2個の不斉炭素が同じ置換基をもつもの>
5と6はキラルな関係。
これらとジアステレオマー関係にある7、8だが、7は分子内に対対称面(上下重ねあわすことができる)が
あるので、7と8は全く同じ分子です。
5 | 6 | 7 | 8 |
分子不均衡をもつ分子
diphenyl誘導体 | |
allene(CH2=C=CH2)誘導体 | |
spirane | |