幾何異性

C=C、C=N、N=N二重結合または 環式化合物における回転制限による異性。

<シス・トランス異性>

(教科書 92ページ 第12章「異性体」 シス・トランス異性 参照。)

アルケンの二重結合はアルカンの単結語のように自由回転は不可能です。
そのために、二重結合の炭素に結合している原子あるいは原子団が異なるときは
配列の相異によって2種の立体異性が存在します。
このような異性体をシス・トランス異性 cis-trans isomer といいます。

cis-2-ブテン trans-2-ブテン


cis-デカリン trans-デカリン



各異性体で慣用名をもつ場合があります。

マレイン酸 フマル酸

<順位規則>

(教科書 93ページ 第12章「異性体」 順位規則 参照。)

炭素・炭素二重結合を含む化合物中にはシス・トランス異性が存在する場合がありますが、
下に示す化合物のように 分子中に 同じ原子あるいは原子団がないものについては
シス型かトランス型かを決め難いものもあります。


そこで E・Z表示法が用いられるようになりました。
二重結合についている原子、原子団の優位順を決め、優位基が同じ側にあればZ、
反対側になればEを表示します。
優位順は 原子番号の大きい方が小さいほうより優位であります。
(-Br>-CL>-F>-OH>-NH2>-CH3

(z)-2-ブロモ-1-クロロ
-1-プロパン
(E)-2-ブロモ-1-クロロ
-1-プロパン


Z E


(2E,4Z)-2,4-hexadienoic acid