降圧剤


不安を抱かせないように副作用を説明する


 現在の降圧剤は長期間作用型が多く、1日1〜2回の服用ですむため、患者の利便性は向上しています。しかし、高齢者では、生活リズムが不規則だったり、食事をしないケースもあり、きちんと服薬が守られていません。
   降圧剤では、原則として、服用時点を守らせるよりも飲んだり飲まなかったりという服薬のムラをなくすことの方が大切です。例えば、次のようなことを行います。


・患者の生活リズムが不規則な場合・・・
                  患者の生活パターンを聞き出し、それに合わせた用法の説明を行う。
・「朝食後服用」で処方されている患者で、朝食を昼頃に摂るような場合・・・
                  遅い朝食の後に服用しても問題はな いことを伝える。
・患者の生活パターンから、指示どおりの服用が困難と考えられる場合・・・
                  服用時点の変更を医師に提案する。


一方、降圧剤は種類が多く、複数の種類の薬剤が併用されることも多くあります。また、降圧剤には様々な副作用があり、薬剤の種類が増えれば、その分注意すべき副作用の数も増えます。
   服薬指導の際に、副作用の初期症状を伝え、患者自身が早期に発見できるよう手助けをするのが原則ですが、複数の降圧剤を服用している高齢者に、すべての副作用の初期症状を羅列して教えても無駄です。また、高齢者に副作用に関する説明を詳しくすると、コンプライアンスの低下につながることもあります。そこで、服薬指導の際に、起こりうる副作用症状について、少しずつ確認してみるとよいでしょう。