分子の形が薬効に影響を与える例を一つだけお見せしましょう。
次の4つの分子は甲状腺ホルモンの仲間です。
MITやDITは薬効をもちません。T4とT3は薬効をもちますが、
T3の方が活性が高いことが知られています。
これらの分子の形を見てみましょう。
T4 | T3 |
MIT | DIT |
MITやDITでは互いに垂直な2つのベンゼン環をもっていませんね。
2つのベンゼン環が互いに垂直にならないと薬効がないのです。
下の絵はT4がホルモンの受容体に入っているところです。
上側の大きなヨウ素原子がつかえています。T3にはこのヨウ素原子がないので
受容体に入りやすく、より薬効が強いのです。